すべては1頭の保護猫との出会いから〜犬猫生活の国産無添加フード開発秘話〜
国産無添加フードの開発と、財団活動の両輪から殺処分ゼロと動物福祉の向上を目指している『犬猫生活株式会社』。今回は看板商品でもある国産無添加フードについて、開発の裏側や商品に込めた想いなどを佐藤淳代表に伺いました。

犬猫生活株式会社 代表取締役 佐藤 淳(さとうじゅん)
2018年にオネストフード株式会社を創設。2021年より『犬猫生活株式会社』としてリニューアル。同時に犬猫生活福祉財団を設立。
すべては1頭の保護猫との出会いから
ー自己紹介をお願いします!
はじめまして。オネストフード改め、犬猫生活の佐藤です。
私たちは「利益のためではなく、わんちゃん・ねこちゃんのための事業を。」を理念に、大切な家族の健康とおいしさにこだわり抜いた、国産無添加ペットフードを開発・販売しています。
それと並行して、殺処分ゼロと動物福祉の向上を目指す財団を設立し、活動をスタートしています。

ー国産無添加のペットフードを作ろうと思ったきっかけは?
今から5年前、私が1頭の野良猫を保護したことから『犬猫生活』は始まりました。
その子、実は妊娠していたんです。妊娠に気がついたのは保護した後でした。
保護から4日後、明らかに栄養不足で痩せほそった体にも関わらず、懸命に出産に耐え授乳を始めました。

保護当時の写真:出産に耐えた母猫と3頭の子猫たち
私はそんな姿を見守る中で、
『ぎりぎりの中でもここまで必死に生き、いのちをつないできたこの子たちには、ほんとうに健康によいものを食べさせてあげたい。幸せにしてあげたい。』
そう、強く想いました。
それからは大切な家族のために、食べさせてあげたいと思えるフード探しをスタート。多くの商品を比較したものの、残念なことに心からあげたいと思える商品には巡り会えませんでした。
ー「心からあげたいと思えるフードがない」と感じた理由はなんだったのでしょうか?
当時、私は自然食品の販売会社に勤めていたこともあり、食事に関しては気を遣っていました。
そのため、家族の一員である猫ちゃんたちの食事もできる限り良いものを選んであげたいと考えていました。最低でも、
- 疑いのある添加物がない
- 怪しい原材料を使っていない
- 猫にとって適切な栄養バランスが整っている
上記の3つを満たしつつ、コスト面でも正当な価格であることを条件に、納得できるフードを探しました。
しかし、残念ながら当てはまる商品は見当たらず…。
国産商品は価格重視フードが主流。いくつか海外製品で良さそうと思えるものはありましたが、輸送コストがかさむうえ、長時間の輸送中は高温のコンテナの中…。
価格の面でも鮮度の面でも不安が残ってしまい、やはり国内で作られたものがほしいと強く感じました。


佐藤代表が語る国内生産のメリット。国産は輸送がないためコストをカットし、その分原材料にこだわることができるとのこと。
「満足できるものがないのであれば、自分の猫ちゃんたちに本当にあげたいと思える商品を自ら作ろう」
そう考えるようになったのが、ペットフード開発に臨んだきっかけです。
こだわり抜いた、本当に信頼できる国産品質
ー開発する際にこだわった、理想的なフードの条件とは?
条件は本当にたくさんあります・・・
フードに詳しい獣医師さんと一緒に、多くの飼い主さまやフードメーカーの方々にヒアリングを重ね、1つずつ条件を決めていきました。
【理想の条件例】
- 2次原料まで添加物不使用
- 4種の生肉を主原料に使用
- 原材料は原産国も含めて全て開示
- オイルコーティングをしない
- 日本の室内犬に合わせた栄養設計 etc…
どんなに難しい条件かは理解しつつも、品質においては、一切の妥協もするつもりはありませんでした。
20社近い工場から断られ、挫折と失敗をくり返した開発の日々

ー開発をスタートされてみて、一番苦労したことは何ですか?
引き受けてくれる工場がとにかく見つからない・・・ということです。
「そんな特殊なことはできない。そんなに細かいオーダーは受けられない。」と、20社近い工場に片っ端から断られ続けました。
そんな挫折しそうな毎日の中、金沢のとある工場から「実現は難しいとは思うけど、そこまで言うならとりあえず試してみようか」とのお返事が。やっと開発がスタートできました。
心からあげたいと思える、理想のフードがついに完成

ー開発に成功されたときの率直な想いをお聞かせください。
多くの失敗と挫折をくり返してきたからこそ、完成した時は、本当にうれしかったです。
実は開発をスタートさせてからも困難の日々は続き、中々納得のいく商品は作れず…。気付けば10ヶ月もの日々が過ぎていました。
最後まで諦めずに寄り添ってくださった工場、そしてあの時にわが子となってくれた愛猫たちには日々感謝しています。
ー発売してみて、実際の反応はいかがでしたか?

おかげさまで非常に多くの方から、共感と満足の声をいただいており、現在では累計販売数230万食を突破しています。※
ご愛用者様からは、「無添加であり、原材料の産地も見えるので信頼できる」「おいしさと健康を兼ね備えた理想的な食事」というお声もいただいています。
こだわり続けた部分を喜んでいただけて、本当に嬉しいですね。
※2021年8月24日までの旧レガリエを含む
犬猫生活ブランド販売累計量(1食50g換算)
保護猫との出会いが教えてくれた、殺処分ゼロという未来を目指して

ーこれからの展望を教えてください
今後は会社と財団の両軸で、動物たちとその家族の幸せを作っていきます。
まず、財団についてですが、日本では年間3.3万頭もの殺処分が行われています。またこの数字には表れない問題も多く抱えています。

この瞬間も助けを求めている『いのち』があり、家族を探している子がいる。そんな一頭一頭を救うため、保護シェルターの運営をはじめ様々な活動をしていきます。
一方会社では、より多くのわんちゃん・猫ちゃん、そしてご家族が笑顔になれるよう、またフードを食べてくれない、健康に配慮したいといったような悩みを解決できるように新商品も販売していきます。

全年齢用フードに加え、シニアの健康に配慮したフード、お口の健康に配慮した口腔サプリメント、猫用のおやつピューレを新発売。
ー『会社と財団の両軸での活動』とは?
⽝猫⽣活では、殺処分問題の解決とその先の動物福祉の向上のために、会社の利益の20%を財団の活動資⾦に充てていきます。

「わが⼦のため」に品質を追求したフードをご購入いただくと、会社利益の20%が動物福祉の活動に還元される。
そんな今までにないフードを販売していきます。
ー最後にメッセージをお願いいたします!

私たちの作る商品はすべて、大切な家族への想いをカタチにするべく、必死でもがきながら開発してきた自信作です。
商品は決して、動物福祉のためだけではないです。
わが子のことを第一に考え、少しでも長く、健やかに。そして、おいしい食事をたのしんでもらいたい。と一切の妥協なく、理想を追い求めた自信作たちです。
ぜひ、わが子の健康や喜びを大切にしている方に手に取っていただきたいと思っています。
私たちのこれからの活動に、ぜひご期待ください。
インタビュー後記
様々なお話を伺いましたが、一貫して感じたのが「わんちゃん・ねこちゃん」への深い愛情と、商品への確かな自信でした。
家族に良いものを選ぶことが、社会を変え、いのちを救うことにつながる。そんな仕組みを生み出す『犬猫生活』の取り組みから、今後も目が離せません。
手にすれば分かる、確かなちがい。ぜひ一度手に取って、家族みんなで体感してみてはいかがでしょうか?
(取材・文/南マイコ)
ねこちゃん用ごはん
わんちゃん用ごはん
※1 合成保存料、合成香料、合成着色料不使用
※2 2019年9月 Vet'sEYE調べ 製品サンプルを使用した獣医師56名が評価
※3 2021年8月24日までの旧レガリエを含む犬猫生活ブランド販売累計量(1食50g換算)
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